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田島裕也Official Blog

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二十歳の頃

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成人の日ということで、私の二十歳の頃のお話。

 

高校を卒業し、国立清水海員学校(現:国立清水海上技術短期大学)へ進学した私は、

航海士になるべく乗船実習の真っ只中でした。


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そして、名古屋港へ寄港した休みの日に、母方の祖父の家へ泊りにいきました。

 

その夜、

 

乗船実習中ということもあって、祖父も昔に乗船した時の体験を話してくれました。

 

 

それは、戦争で中国から帰国した時のことです。

 

 

はっきりとした年はわかりませんが、

1940年頃でしょうか、

祖父は中国へ出征しました。

 

前線で戦っていた祖父は、多くの戦友を亡くします。

 

ある時、上官から全ての装備を古いものと交換せよと命令されました。

 

その時、祖父はいよいよ最期かと覚悟を決めたそうです。

 

 

しかし、その後出された命令は帰国でした。

 

 

そして、中国から船に乗り帰国したのです。

 

航海中は大時化で、戦友たちは船酔いで倒れていました。

 

祖父は平気だったようで、柱に縄で体をくくり付け、ずっと見張りをしていたとのことでした。

 

そして無事に日本へ戻ってくることができたのだと。

 

 

祖父から戦争の体験を聞いたのは、この時が初めてでした。

戦争へ行ったということは知っていましたが、一度も口にしたことはありませんでした。

 

戦争を経験した世代は、今や90歳代です。

生の声を聞けたことは、本当に貴重なことだと思います。

 

そして、酒を酌み交わし、「やっと孫とお酒を飲めるようになった」と喜んでいました。

 

 

初めて交わした祖父とのお酒。

 

しかし、これが別れの杯ともなってしまいました。

 

この後、祖父は病に倒れ他界します。

 

 

あの時、祖父はどんな想いで私とお酒を酌み交わしたのだろう…

どんな味がしたのだろう…

 

あの頃の私には、想像することも、祖父の気持ちを思ってあげることもできませんでした。

 

あの夜の嬉しそうな祖父の顔、忘れられないな…

 

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